マイベアノミクス

ミレニアル世代のビットコイン資産運用ブログ

Webブラウザの「Opera」が仮想通貨ウォレットをサポート開始

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概要

Webブラウザはグーグルのクローム、アップルのサファリが有名だが、Operaも約4%のシェアを持つ人気のブラウザのひとつだ。

この度、Webブラウザに仮想通貨ウォレット機能をサポートすることで、他社との差別化を図り、仮想通貨の領域をリードしていこうとしている。

 

新たなブラウザは現在ベータ版が公開されているが、現在は一時的に利用できない。近日中に提供が開始される見込み。

サポートはイーサリアムのERC20に対応する。イーサリアムだけでなく、クリプトキティなどの人気のアイテムやアルトコインの保有や受送信が可能になる。

ウォレットサービスだけでなく、オンラインショッピングの決済領域、トークンの受送信サービスが提供される。

Webブラウザの競合

Webブラウザの最大の競合は、ご存知のように、クロームとサファリの独壇場だが、ここに暗号通貨を組み込んでいくことで、牙城を崩していくことが可能なのだろうか。

すでに、仮想通貨のウォレットサービスでもライバルが多数存在するため、本当に使われるウォレットになるには、試練が待ち受けているだろう。

だが、ひとえにウォレットサービスといっても目指している方向性がそれぞれ違うことがわかる。

仮想通貨ウォレットの競合

例えば、Braveブラウザでは、広告を非表示にさせるアドブロックという機能が特徴だ。

これは、現在のWebブラウザと過剰な広告の問題を解決するための挑戦でもある。私たちは、無料でインターネットで情報を得ることができる反面、広告を受け入れなければならなかった。

しかし、Braveを使えば、広告をブロックすることも可能だし、表示することで、読者がトークンを得られる広告主と利益をシェアする仕組みが考えられている。

読者と広告主との関係を変えるブラウザ版のウィキペディアを目指したようなサービスだ。

 

また、Breadウォレットは、銀行のようなものを目指している。銀行は顧客の資産を預かるが、Breadは顧客自身が秘密鍵の管理を行うことで、資産を預かるとう業務を行わない。

複数の暗号資産の管理を顧客のウォレット上で管理できるサービスを提供する。また、投資や貯蓄のアドバイスや仲介を行うことで収益を上げるビジネスモデルに挑戦している。

 

そして、サークルや、ロビンフッドという仮想通貨取引所サービスを提供する企業もまた、ウォレットサービスに参入してこようとしている。

これは、顧客の仮想通貨での入り口を抑えている彼らが、顧客と資産を囲い込む狙いがある。

取引所内に資産を保有したまま、資産のポートフォリを組んで暗号資産を管理したり、そのままオンラインオフラインの買い物に利用してもらおうというシームレスな仮想通貨の仲介役を担おうとしている。

仮想通貨ウォレットサービスの課題

このように、ウォレットサービスは様々な企業が参入しているが、目指しているものや、ビジネスモデルがそれぞれ違うことが分かる。

当面は、複数の仮想通貨ウォレットサービスが乱立していくものと思われる。

しかし、最大の課題は、価格の安定しない仮想通貨が通貨として利用されるのかということだ。現状は、実際には仮想通貨のほとんどは投機として利用されており、通貨として機能していない。

ウォレットサービスは財布としての需要がなければ成立しないサービスだ。市場規模も実際の決済とは比較することができなく、独自の仮想通貨マーケットの拡大に依存する。

クリプトキティなどの人気のゲームや仮想通貨アイテムを交換し合う需要が生まれれば需要は拡大する見込みはあるが、送信するための手数料高騰など使い勝手にも課題が残り、本格的に普及していくにはまだまだ時間がかかりそうだ。

それにまして、法律の壁が存在するので、仮想通貨の交換にかかる税金の有無や計算方法、複雑な税制をどうするのか?有価証券として扱うのであれば、銀行免許や顧客資産の分別管理や、セキュリティコストをどう捻出していくのかという大きな課題がある。

 

また、決済については、グーグル、アップルも無関心ではなく、仮想通貨ではなく、法定通貨による、個人間決済サービスや、送金サービスに力を入れ始めている。

これらの領域は、ユーザー数が実サービスの共通ネットワークを形成していくので、大手のプラットフォーマーが圧倒的に有利になる。

本気になって決済市場を取りにいくのであれば、グーグル、アップルの巨人に立ち向かうことはかなり難しい。彼らは既に、プラットフォームをスマホというハードウェアで抑えている

仮想通貨ウォレットサービスの可能性

しかし、このウォレットサービスの挑戦は、ITジャイアントの牙城を崩すための新しい革命の始まりかもしれない。

インターネット企業の繁栄と衰退はスピードが早く、メインプレイヤーがどんどんと入れ替わっていく。

次のグーグル、アップルを作っていく企業が、仮想通貨の世界から誕生してもおかしくないのではないかと感じている。

そして、ユーザーにとって、より便利に有益なサービスが提供されていくことを期待したいと思っている。

仮想通貨は長期的なトレンドだからこそ時間が最大の武器になる理由

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初心忘るべからず

仮想通貨投資を始めた方は、情報のアンテナが敏感で、新しいもの好きな性格の方が多いと思います。

そして、より使いやすいお金の革命、ブロックチェーンで変える社会のあり方に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

今日は、短期的な目線で利益を狙うトレードではなく、長期的な目線で、仮想通貨で帰る社会を想定しながら行う投資の醍醐味を味わってもらいたいと思い記事を書きます。

仮想通貨革命は長期的なトレンドなのか

なんども繰り返しますが、年末年始のバブル相場は一見異様に思えると感じます。

年始からは、仮想通貨全体に、規制の動きや、取引所へのハッキングなどのネガティブニュースが増えてきて、短期的に上昇した市場に冷や水を浴びせています。

市場に与えたショックは大きく、「仮想通貨は終わった」という声をよく聞きます。

あまりにも、持ち上げられて皆が浮かれていたと言っても過言ではないくらいの雰囲気が、メディアの報道や、億り人というバズワードが流行から感じ取っていたので、相場が逆を行けば、想像を裏切られた気持ちで、当然ショックも大きくパニックになりやすいのかもしれません。

 

しかし、冷静に見てみると、相場は、下落したといえども、まだまだ高値圏にあります。

参入の時期によっては、含み益が発生してしまうタイミングに差し掛かっているかもしれませんが、市場はまだ余裕があります。

ここで、一旦、弱気相場に入っている要因は何なのかを分析すると今後の戦略も立てやすいかもしれません。

下落相場最大の要因

仮想通貨の下落の要因のひとつに、税金の問題があります。

昨年までは、話題に取り上げられることも少なく、具体的に税務署からも明示されていなかったように、仮想通貨の課税はグレーのまま放置されていました。

しかし、仮想通貨の相場が上がり、話題になっていくにつれて、利益を公言するトレーダーも現れました。そこで遂に税申告のメスが入ります。

税務署は最大限の税収をあげることが仕事ですから、一方的に最高税率が適用される累進課税による雑所得として申告するガイドラインが設けられました。

また、既存の法定通貨を脅かす存在としての側面を持つ仮想通貨は、管理主体がないためアナーキーな存在として、政府からは警戒されています。

法律による規制と税というタッグによって、仮想通貨は心理的に厳しい局面を迎えることになりました。

これは、ビットコイン、仮想通貨の発祥や原理を理解していれば、発展していく過程で必ず通る道と考えられていたことです。

規制による既得権益を否定して、自由主義を主張する仮想通貨は、法定通貨と基本的には相性が良くありません。

政府関係者や銀行業界からよく言われるのは、ビットコインは嫌いだが、ブロックチェーンは技術の発展に寄与していくというものです。この意見は、皆さんご存知のように、成立しません。両者は同じ技術のため、互いに関係し合いながら存在しているからです。

 

つまり、相場下落の要因は、高額な税金の納税による投資資金の目減り、そして不利な税制に対する失望が根源にあるのではないかと思います。そのマイナスの要因が重なるように、相場が下落していき負のサイクルを生み出しています。

制度が整っていない環境の中では、投資はウェルカムなものではなく、はっきり言って拒絶されている存在です。当然そんなところに誰も新規で大切な資金を投入しようなどとは思いません。

 

ビットコインも仮想通貨も、規制ができないものですが、規制によるプレッシャーはもろに受けてしまいます。

そして、当面はこの規制と、自由との妥協点を探る攻防戦が繰り返されていくものと思います。

仮想通貨の法律の整備は、やがて整っていくと思いますが、簡単なものではなくはっきり言って時間がかかるものです。

おそらく、アメリカや、最近では韓国が先駆けて、既存の法律に当てはめながら部分的に規制緩和をしていく流れを感じています。

仮想通貨が長期的なトレンドで、新しい産業として育成していくためには、イノベーションの種を潰さずに育てなければなりません。

各国は、経済成長の糸口を熱望しており、チャンスとあらば生かしていきたいという本音も見えてきます。

仮想通貨が上昇トレンドに転換するタイミング

すなわち、仮想通貨の相場下落の要因は、税制面を含めた「政府による規制」です。逆にいえば、規制が緩和されてルール作りが加速していけば、個人だけでなく、大口のファンドや資本家のお金が、仮想通貨市場に大量に流れ込んでくる期待もあります。

問題は、規制緩和までの時間がかかることです。仮想通貨を潰すということは事実上不可能です。取引所への規制が本格化しても、DEXが台等するでしょうし、マルタなどのタックスヘイブンのような優遇する国が現れます。

そのため、どの国も本音では、新しい産業としての育成を目指しているはずなので、折衝案や合理的な道筋を見出していずれ解決する問題だと思います。

長期投資で勝負する

仮想通貨が終わったと思えば退場すれば良いだけの話ですが、まだまだ始まってすらいないというのが冷静な分析ではないでしょうか。事実、仮想通貨はまだ普及していませんし、Dappsのリリースもまだ始まったばかりです。

新しい仕組みやサービスが、社会に出ていくときには衝撃と失望が交錯します。しかし、明瞭期においては、混乱こそ冷静に物事を見極めて、本質に投資していくことがチャンスになります。

もちろん、個人個人の見立ては当たり外れがありますが、自らのビジョンを持ち、軸を持った投資を続けていくことが醍醐味ではないでしょうか。

今後も、続々と仮想通貨やブロクチェーン技術で開発されたサービスがリリースされ、スマートフォンのように一般的に社会に浸透していくまで紆余曲折たくさんの物語が生み出されていくことでしょう。

それに、投資という形で参加しながら、未来にワクワクしながら一緒に歩んでいくことに意義があると思っています。

投資で成功するためには、短期的な振れ幅に惑わされず、自分に軸を持って、応援し続けることが大切ではないかと思います。

幸い、投資は自らが動くことなく相手に託すことができます。私たちは、本業の傍らで、夢を追うことができるのです。

無くなっても良いと思える金額で、これぞと思った先に投資する。そしてプロジェクトの成功を見届ける最後まで絶対に売らないというスタンスを貫けることが私の投資のスタンスです。

まとめ

このブログはミレニアル世代に向けての投資というテーマで執筆していますが、若い世代にあるのは、「資本力」ではなく「時間」が最大の武器です。すなわち、今のように、明瞭期に投資をスタートさせて、成長を見守りながら、長い軸で投資をすることができるのです。かのウォーレンバフェットも買った株はほとんど売ることがありません。自分の身の回りによく知っている企業の株をユーザーとしても理解しながら、企業の成長とともに長期的に保有することで、安定して大きな利益を出しています。

ミレニアル世代の若者は、日本の成長期を過ごした経験がなく、縮小していく人口減少社会を生きています。そんな不透明な時代だからこそ、限られた成長分野への投資でチャンスを掴んで欲しいと思います。

そして、すべての人がお金から解放されて、本来の自分を見つけ出し自由で豊かな人生を歩んでいくことを願っています。

 

DEX(分散型取引所)のBancor(バンコール)ハッキング被害分析

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問題の概要

バンコールより、24,984 ETH(約1200万ドル)、NPXS100万ドル、BNT1000万ドルがハッキングにより盗まれた。

経緯は不明。現在考えられるのは、運営の人為的ミスの疑い。

バンコールは運営元のウォレットに仮想通貨を一定額デポジットしておくことで、スムーズな交換を可能にしている。

デポジットの提供は通貨発行元が担う仕組み。

 

この度、ハッキングで奪われたのは、運営元のウォレットに保有しているデポジットされた仮想通貨。

DEXの中でも、デポジットというバンコールは独自の仕組みを採用していたため、バンコールの弱点を露呈した事故

運営の対策

被害にあった仮想通貨は、ハッキングを把握した時点で取引中止。それ以前に盗まれた仮想通貨は、犯人の手元にわたり、取り返すことはほぼ不可能。ユーザーが直接被害を受けることはないが、運営元が被害を被る。

しかし、ハッキングの被害はイーサリアムを始め、市場に影響を与えており、資金引き上げの動きが見られる。

被害を受けた通貨の狼狽売り、思惑売が加速していけばさらなる相場に与える損失は大きい。

ハッキングの対策

このように、仕組みの隙をついたクレバーな犯罪が今後も増えてくるものと考えられる。

ハッキングによる被害は、相場に与えるショックも大きく、仮想通貨全体の信用を大きく下落させる。

セキュリティー対策をするものの、新手の手法で繰り返されるハッキング犯罪は後をたたない

仮想通貨はその性質上、盗まれた仮想通貨を取り戻すことはできないことが、被害を拡大させている。

仮想通貨の問題

仮想通貨は、ビットコインだけでなく、イーサリアムでも取引履歴を遡ることができる。そのため、ハッキングで盗まれても足がつきやすいはずである。

しかし、特定できるのは犯人のアドレスのみであり、個人情報が紐付いているわけではない

また、取引所を通して法定通貨に交換する際は、本人確認の必要があり、盗んだ仮想通貨を円やドルに直接交換することは、証拠を特定する手がかりになるが、匿名通貨を迂回することや、複数のアドレスを経由させることで、犯人以外のユーザーとの接触が生まれ、盗まれた仮想通貨でも、誰が犯人なのかが特定できなくなる

ハッキングの影響

ハッキングによる犯罪が増えることは、仮想通貨の信用を下落させる。

そして、リスクの割には、大金を稼げるというハッキングが認知されていくと、これからもレベルの高い犯罪が加速していく。

取引所のセキュリティー問題は、中央型取引所だけでなく、DEX(分散型取引所)でも同じように起こり始めたことは、仮想通貨の世界では、何が起こるかわからないということを感じさせる。

いつ自分の通貨が盗まれるのか分からない。ハッキングで奪われて市場で叩き売られるか分からないという状態では、新規で仮想通貨を手に入れたいというユーザーは激減するだろう。

また、ハッキングに狙われるのは、値上がりしている銘柄であることが多い。

急激に値上がりした仮想通貨は、ハッキングで奪うメリットが大きい。流動性が高ければ、市場で売却しやすいし、通貨自体に欠陥を抱えているケースもあるのでシステムの隙を突きやすい。

今後の課題

セキュリティ対策が最重要課題だ。仮想通貨取引所はハッカーよりもレベルの高い仕事が求められる。

ハッカーは単独で犯行を行うケースとは限らず、組織的な犯罪であることも想定される。法整備や、国家ぐるみで対策していく必要が増していると感じる。

早急に、セキュリティレベルを上げていかなければ、仮想通貨の信用は揺らいでしまう。しばらくは、いたちごっこのようなことが続きながら、レベルアップしていくものと思われるが、それまでに、潰れてしまっては元も子もない。

価格が上がれば、この手の犯罪は増えていく。場合によっては、中央集権的な仕組みも取り入れながら、本気で対策をしていかなければ、今後も大きな問題になってくるだろう。

ハッキングがおいしい商売という皮肉な富を生み出す仮想通貨市場がゆるされる訳がない。早急に対策をするべきだ。そろそろ国家レベルでの対策が必要となる時期ではないのだろうか。

仮想通貨が変える「お金」と「信用」の新しい経済とは

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紙幣の発明

お金が現在の紙幣の形になったのは1000年前。それまでは、貝殻や石が価値の貯蔵手段としてお金の役割をになっていた。それまでは、そもそもお金というもので価値を貯蔵するという必要性がなく、生きるために必要なのは、米や麦などであり、言い換えるならば、食料がお金の役割を果たしていた時代があった。

江戸時代でも人々の生活圏内も限られていて、顔の見える距離感で、人と人との信頼関係で経済が回っていた時代では、実体としての通貨が必要がなく、バーチャルな帳簿上の貸し借りだけで決済が完結していた。

ある意味、今のクレジットカードのようなシステムと同じで、人間関係という信用を担保に、与信管理が機能していたと言えるだろう。

お金とは何か?信用とは何か?

お金を取り巻く環境は、現代のようにテクノロジーが発達した世界でも、江戸時代のような人間くさいローテクの時代でも、「信用」を基礎に置かれていることは全く同じだ。

どちらも実物のお金のやり取りは限られていて、ほとんどがバーチャルな取引で完結している。

法定通貨の強みとは

お金の価値を保証する条件として、どこでもモノと交換できる「流動性」が重要になってくる。

このお金は、A店では使えるが、B店では使えないとなると一気に不便なものになる。

その経済圏でもっとも優れているのが、各国で利用される法定通貨だ。

例えば日本円は、日本国内のどのお店でも利用できるし、米国ドルも同じように、米国内のどのお店でも利用できる。

どこでも使える利便性という最大のネットワーク効果により、法定通貨の価値が信用されているといえる。

信用の裏付けは、国家が担っているという安心感は揺るぎないものだと感じる。

「仮想通貨革命」の意味とは

しかし、そんな法定通貨がお金の絶対的ポジションにいる状況から、仮想通貨というものが誕生した。

これは、言い換えるならば、国家の信用を必要としないお金になる。信用の裏付けとなるのは、契約書のみ。ビットコインは、ブロックチェーンという公開された取引台帳を元に全取引履歴をオープンにすることで、お金の価値が存在していることを証明している。

オープンになった全取引データをノードと呼ばれる分散された管理者たちによって常に監視されているため、データを改竄されることも、ハッキングでお金を奪われるということも無い。

ビットコインは、価格の変動こそあるものの、一度動き出してしまえば、何者かによって止めることは不可能であり、社会から消えることはこれからもありえない。

 

そこで、国家としては、法定通貨のポジションを奪われるのではないかという警戒が強まっているのが現在の規制うんぬんに繋がっていると感じる。

本音であれば、潰してしまいたい仮想通貨という存在を、事実上不可能と理解した場合どうしていくのか?

理想としては、お互いが協力関係になれるような、複数の経済圏を許容していくことである。

一方的にお金を国家のコントロール下に置くことが、間違っているとも言い切れないのは、経済政策などの施策を容易に打ち出すことができるため、現在の仕組みを破壊することも、否定することも得策ではないと思う。

できることならば、それぞれの経済圏がうまくかみ合うような仕組みづくりをしていくことを目指すべきでなないだろうか。

お金の本質とは

一方で、仮想通貨は、投機としての盛り上がりを見せるだけでなく、冷静にお金の本質に気づかされる存在でもある。

先ほどの、新しい経済圏の許容は、国家の信用を軸にした法定通貨だけでなく、企業や、個人、またはコミュニティの信用を元にした新しい経済圏のための通貨を発行するための、様々なお金が乱立する状況を作り出していく。

これは、通貨発行権(シニョリッジ)が国だけでなく、あらゆる人たちに解放されたことを意味するが、同時に、信用によって価値を創造することができるという革命を巻き起こすかもしれない。

新しい経済圏が生み出すもの

これまでは、事業やプロジェクトは銀行などからお金を借りてはじめる融資が基本だったが、「信用」を軸に発行される独自の通貨があれば、面倒な手続きもいらず、手軽に資金を集めるICOという仕組みが経済を動かしていけるかもしれない。

むしろ信用がお金の本質であったのかと気づかされる

信用さえ獲得できれば、資金を集めるだけでなく、通貨を発行できてしまう変革は、小さくても経済圏を作れるチャンスが解放されたことにある。今後、ロングテールモデルで様々な仮想通貨が生み出されていくことになる。この革命は止められない。

そのためには、規制や法整備、詐欺から投資家保護まで、順を追ってきちんとルールを定めていく必要があるが、仮想通貨は、投機だけではなく、信用とは何か?仕事とは何か?社会に貢献すること、働くことの意義。人生の生きがい、喜びを教えてくれるスケールの大きな概念になっていくのではないかと思う。

自動車業界の仮想通貨メルセデス・ペイは何を変えるのか!?

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自動車業界にも影響を与える仮想通貨

変革の早い仮想通貨業界ですが、古典的な業界と言われる自動車業界もまた、業界再編の波に飲まれようとしています。

自動車がエンジン駆動からEVとなり電気モーターを駆動とした部品点数の少ない構造の車体へと変化してくだけでなく、その先には、自動運転を視野に入れたモビリティ事業(配車サービス)とへと事業モデルの幅を広げていく、または事業の見直しを迫られています。

 

この動きは、再編を加速させるだけでなく、業界での生き残りを賭けて、自動車業界だけでなく、グーグルやアップルとの協業もしくはライバル関係としてしのぎを削っていく分野となりそうです。

「移動」の経済圏で使える仮想通貨

そこで、注目されていくのは仮想通貨を自動車業界の再編に利用していけないかということ。

モビリティ事業であれば、当然、決済というシチュエーションが必要ですが、それを自前で構築していくこともユーザー体験を優位に進めていくために必要な施策です。

例えば、Uberのようにタクシーを利用する前に決済が完結するようなシステムであったり、車両を保有するユーザーは速度を守り安全にドライブすることでポイントを仮想通貨建で手に入れるというソリューションも提供できそうです。また、優良ドライバーには自動車保険の割引制度や、自動車税の減税に結びつけていくことも可能でしょう。

メルセデスベンツの長期戦略

メルセデス・ベンツは、日本のコンビニなどで普及していた決済システムや、交通系の決済サービス、iモード時代からのモバイル決済からヒントを得て、10年ほど前からメルセデス・ペイの前身となるペイキャッシュという企業の買収でノウハウを貯めてきていました。また、Uberのような配車サービスであるmytaxiや欧州のカーシェアのパイオニアcar2goを買収によって参加に収めるなど、その布石は常に打たれています。

ここにきて、BMWやトヨタなど他企業も、モビリティ分野への進出や、新規事業領域の進出で生き残りを賭けて競争していますが、メルセデスベンツの先見の明は時代を先駆けたものになっています。

 

メルセデスペイの全容はまだ発表されていませんが、車両サービス全般に共通する経済圏を構築するための仮想通貨として、またサプライヤーなどの業界の取引関係会社で支払われる業務用ソリューションとしての仮想通貨としての用途を想定しているようです。

まだまだ先ですが、このような布石が実を結ぶ頃には、車両サービス間で利用できる独自仮想通貨の確立やや、工場の間でロボット同士が通信し合うIoT時代を見据えて、スムーズなお金として機能していく可能性があります。

我々の生活が仮想通貨によって、より便利に使いやすく、仮想通貨のイノベーションを実生活に落とし込んだ形で、知らず知らずのうちに皆んなが利用している社会というのはこういうことかもしれません。

様々な商圏が仮想通貨で乱立していく

仮想通貨を視野に入れた決済サービスは、未来のお金の姿を想定した、お金の自由競争となるかもしれません。現在でも、中国のアリペイやウィーチャットペイ、アメリカでは、ペイパルやスクエア、ストライプがあります。日本では、交通系電子決済や通信会社の決済サービス、IT系ではヤフーや、ペイID、これから期待されるメルカリがリリースするメルペイなどがあります。また、Apple Payやグーグルペイなどが乱立している状況です。

彼らの目的は、ユーザーの利便性や相乗効果だけでなく、独自商圏を作り出していくことで得られる独占です。広く利用される仮想通貨を作り出したところが、事実上の仮想商圏をおさえる胴元になることができます。サービスは競合が多く自由競争にさらされるリスクが常にあることから、独占による永続的な利益を追求する姿勢は当面の間つづきそうです。

すべてのサービスが生き残るわけではないと思いますが、ロングテールで複数の仮想通貨が存在しうる未来が想像できると思います。そしてストレスのないスムーズなエクスチェンジや仮想通貨を取り巻く法整備も今以上に進化しているはずです。

今は想像できませんが、10年後20年後は、ごくごく当たり前に、一般的にあらゆるところで仮想通貨が利用されていく未来が想像できると思っています。それは、法定通貨だけの経済圏ではなく、仮想通貨と共存しながらあらゆる業界を巻き込み、時代に残る大きなムーブメントを生み出していくでしょう。

バイナンス ハッキング問題で取引所はどう変わるのか!?

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ハッキング問題

先日のバイナンスのハッキング騒動。度々起こる仮想通貨取引所のハッキングショックと相場の下落。これはいつまでつづくのでしょうか?

ハッキングも巧妙なものから古典的なものまで、単純なものは、利用者のパスワードが総当たり攻撃で盗まれて悪用されるケースもあります。2段階認証などのセキュリティー対策を自身でとっていれば防げる問題など利用者のリテラシー不足を原因とした問題も多く含まれています。

 

しかし急激に成長した仮想通貨マーケットでは、法整備もままならない中、利用者のリテラシーをあげるには、時間がかかります。それを逆手にとって、脇の甘いユーザーをカモに利益をあげるハッカーや犯罪者が暗躍している現状は決して許されることではありません。

自己責任と言うには、状況があまりにも不利となるユーザーが多く、利用者保護、投資家保護を優先しなくてはならない時期に来ているのではないでしょうか。

巧妙化するハッキング

さて、今回のバイナンスのハッキングのケースではおそらくユーザーのアカウントがハッキングされ、時価総額の低いSISコインという仮想通貨を強制的に高値で買い取らせていくことで、犯人は収益を上げました。

時価総額の低い仮想通貨は大口の買いが入ると大きく値をあげてしまうので、徐々に買い進める必要があり、犯人は長期的に計画を持って、仕込みを完了させていた疑いがあります。

そして、ハッキングした複数のアカウントを乗っ取り、自作自演の売り買いを成立させて、保有銘柄の「高騰」を作り出していきます。被害者のアカウントは、高値で買い、犯人は売りを執行することで、大量のビットコインが、犯人のアカウントに流れ込む設計です。

条件としては、被害者のアカウントに仮想通貨のデポジットがある必要があるのですが、多くのユーザーはトレードをするためにある程度の仮想通貨資産をバイナンスのアカウントに預けたままにしています。

取引高の多い仮想通貨取引所では、そのようなケースが多く今回の犯罪が狙われる要因になったものと考えられます。

抜け道を狙った犯罪

仕組みとしては単純ですが、取引所のホットウォレットから仮想通貨を盗み出すハッキングよりも、難易度は低く、巧妙化していると言えるでしょう。

また、ストップ高やストップ安が設けられていない仮想通貨取引所だからこそ可能な条件であるといえます。

今後は、まだ未熟な仮想通貨取引所の仕組みの抜け道をうまく突いた犯罪が増えてくるのではないかと思います。

 

ハッキングは対策しても、次の巧妙な方法で攻撃を仕掛けて来ます。まるでいたちごっこのようにいつまでも攻防戦が続いていくのではないでしょうか。

ただし、犯罪を減らす方法はあります。地道に利用者のリテラシーをあげていくことや、仮想通貨取引所のセキュリティーレベルを上げていくこと、不審な値動きは制限できるようなシステムの構築や、運営の監視体制の強化などです。

DEX化する取引所

目指す方向性としては、取引所自体のDEX化もひとつの解決策になるでしょう。

DEXとは、非中央集権の取引所で、運営元がいない取引所の仕組みです。

ユーザーは、DEXの取引システム上で、自身のウォレットからアクセスしてトレードを行います。

この度のように、取引所にユーザーの資産を預けて置くという穴を狙った犯罪は、ハードウェアウォレットに資産を移しておけば防げた問題です。

これからは、ハードウェアウォレットやユーザー自身の管理するウォレットから直接トレードできる仕組みがスタンダードになってくるかもしれません。

ユーザーのリテラシーをあげることも大切ですが、初心者から玄人までどのようなユーザーでも気軽に簡単に使える取引所となることが業界全体の発展への近道だと思います。

取引所の信用はスピードと柔軟性

それにしても、今回のバイナンスの対応は、迅速でした。ハッキングの問題の究明と説明責任はあいまいな点がありますが、問題のあったAPIを停止し、復旧までのスピードが早かったことが、他の仮想通貨取引所への被害の飛び火を回避させています。

このようなネガティブな情報は拡散されて、不安が不安を呼ぶ悪循環になりますが、取引所のハッキングでここまで、被害を最小限にできたことは、逆にバイナンスの信用を上げる結果になったと思います。

バイナンスの対応はいつも群を抜いている印象があり、それが信用をあげる結果になっています。

 

大手取引所や規制の真っ只中にありながら、スピード感を持って取引所を運営しているプレイヤーは世界でも限られています。変化の早い仮想通貨業界で求められるのは、柔軟な姿勢と変化に対応していくスピードだと思います。バイナンスが今後も世界のトッププレイヤーとなることは揺るぎないのではないでしょうか。

バイナンスは規制を避けて他の仮想通貨と取引所と比べて、独自路線の道を選びましたが、業界の数少ないトッププレイヤーとして今後も君臨していくだろうと思います。

コインベース・カストディーと日本の金商法移行からのトレンド予想

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富裕層向けサービス

ついに2日米国の主要仮想通貨取引所のコインベースが機関投資家向けサービス「コインベース・カストディー」をリリースしました。

コインベース・カストディーは、多くの仮想通貨取引所の抱えるセキュリティーという課題を乗り越えた注目すべきサービスです。

 

仮想通貨通貨市場は、今まで、リスクを許容する個人投資家を中心に、投機色の強い市場として盛り上がってきました。

これまでも、巨額の資本を動かす機関投資家の参入が噂される中、従来の銀行や証券会社のように、資産の分別管理が法律で義務付けれられていない仮想通貨取引所は、常にマウントゴックスのようなGOXリスクと呼ばれる、破産リスクが存在していました。

巨額の資産を預かり、運用しているファンドは、投資家への説明責任としてハッキングや、不正による予測不可能な破産リスクを取りたくないと、大口投資家の参入を拒んでいた理由のひとつとして考えられています。

最高レベルのセキュリティー

そこで、コインベースは、その真摯な運営方針による信用と合わせて、米国証券取引委員会(SEC)に準拠した企業との提携により、資産の預かり業務、カストディアン業務を遂行することを可能にしました。

具体的にはコインベースの行うセキュリティー対策は、コールドウォレットによる仮想通貨の管理と厳格な監視体制の整備です。

 

私たち個人投資家は、次の大きな波である機関投資家の参入動向を注目すべきです。

機関投資家と個人投資家は市場が出来上がってしまってからでは、圧倒的に資金力と経験という面で、大口機関投資家が有利ですが、唯一彼らに勝つ方法は、参入時期を読み、機関投資家よりもリスクをとり早く動くことです。

機関投資家が市場に資金を投入する前に個人投資家が仕込んでおけば、あとは市場が拡大するにつれて相場の底上げと上昇相場に乗ることができるかもしれません。

流入する富裕層のマネー

現在の仮想通貨市場は100兆円にも満たない小さな市場です。そのため、個人の資金でも大きく変動するボラティリティの高い相場となっていますが、これが、大口機関投資家の長期保有を目的とした資金が入ってくることで、大きくボリュームが上がり、安定した市場に変化していくと思います。

 

世界の富の半分以上を独占している富裕層の資金の0.1%でも仮想通貨市場に流れてくるならば、それだけで、仮想通貨市場は現在の倍以上の成長をするほどのインパクトを持っています。

整備されていく金融機関と法律

コインベースや、既存の証券会社も新しい金融商品としての仮想通貨を育てることで、新たな産業の収益源として事業創造を目的としています。

米国だけでなく、日本も、金融庁が仮想通貨交換業者を規制する法律を現在の改正資金決済法から金融商品取引法に移行する検討に入りました。

これはつまり、現在のトレンドは、仮想通貨は金融商品として既存の銀行免許や、証券として認可と監査条件を満たすことで、顧客保護を優先させながら、政府の監督下の元へ置こうという方向性のように感じます。

規制ではなく共存

銀行の傘下のグループ企業に仮想通貨事業を置くことで、実質的に政府のコントロール下に置くことが可能です。

しかし、仮想通貨の原点ともいわれる設計自体は、P2Pで動く中央機関が必要ない権力によって潰すことのできない仕組みです。そのため、規制による禁止や強制的な圧力でビットコインを規制するのではなく、上手に取り込んでいくこと、規制との折衝案を現実的に出していくことが、双方の利益につながる解決策ではないかと思います。

 

最近では、規制による禁止ではなく、規制による交通整理により、産業として創設していきいたい考えにトレンド転換しているようにも思います。

それを見極めて、仮想通貨市場の今後の動向を見守っていきたいと思います。