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バイナンス ハッキング問題で取引所はどう変わるのか!?

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ハッキング問題

先日のバイナンスのハッキング騒動。度々起こる仮想通貨取引所のハッキングショックと相場の下落。これはいつまでつづくのでしょうか?

ハッキングも巧妙なものから古典的なものまで、単純なものは、利用者のパスワードが総当たり攻撃で盗まれて悪用されるケースもあります。2段階認証などのセキュリティー対策を自身でとっていれば防げる問題など利用者のリテラシー不足を原因とした問題も多く含まれています。

 

しかし急激に成長した仮想通貨マーケットでは、法整備もままならない中、利用者のリテラシーをあげるには、時間がかかります。それを逆手にとって、脇の甘いユーザーをカモに利益をあげるハッカーや犯罪者が暗躍している現状は決して許されることではありません。

自己責任と言うには、状況があまりにも不利となるユーザーが多く、利用者保護、投資家保護を優先しなくてはならない時期に来ているのではないでしょうか。

巧妙化するハッキング

さて、今回のバイナンスのハッキングのケースではおそらくユーザーのアカウントがハッキングされ、時価総額の低いSISコインという仮想通貨を強制的に高値で買い取らせていくことで、犯人は収益を上げました。

時価総額の低い仮想通貨は大口の買いが入ると大きく値をあげてしまうので、徐々に買い進める必要があり、犯人は長期的に計画を持って、仕込みを完了させていた疑いがあります。

そして、ハッキングした複数のアカウントを乗っ取り、自作自演の売り買いを成立させて、保有銘柄の「高騰」を作り出していきます。被害者のアカウントは、高値で買い、犯人は売りを執行することで、大量のビットコインが、犯人のアカウントに流れ込む設計です。

条件としては、被害者のアカウントに仮想通貨のデポジットがある必要があるのですが、多くのユーザーはトレードをするためにある程度の仮想通貨資産をバイナンスのアカウントに預けたままにしています。

取引高の多い仮想通貨取引所では、そのようなケースが多く今回の犯罪が狙われる要因になったものと考えられます。

抜け道を狙った犯罪

仕組みとしては単純ですが、取引所のホットウォレットから仮想通貨を盗み出すハッキングよりも、難易度は低く、巧妙化していると言えるでしょう。

また、ストップ高やストップ安が設けられていない仮想通貨取引所だからこそ可能な条件であるといえます。

今後は、まだ未熟な仮想通貨取引所の仕組みの抜け道をうまく突いた犯罪が増えてくるのではないかと思います。

 

ハッキングは対策しても、次の巧妙な方法で攻撃を仕掛けて来ます。まるでいたちごっこのようにいつまでも攻防戦が続いていくのではないでしょうか。

ただし、犯罪を減らす方法はあります。地道に利用者のリテラシーをあげていくことや、仮想通貨取引所のセキュリティーレベルを上げていくこと、不審な値動きは制限できるようなシステムの構築や、運営の監視体制の強化などです。

DEX化する取引所

目指す方向性としては、取引所自体のDEX化もひとつの解決策になるでしょう。

DEXとは、非中央集権の取引所で、運営元がいない取引所の仕組みです。

ユーザーは、DEXの取引システム上で、自身のウォレットからアクセスしてトレードを行います。

この度のように、取引所にユーザーの資産を預けて置くという穴を狙った犯罪は、ハードウェアウォレットに資産を移しておけば防げた問題です。

これからは、ハードウェアウォレットやユーザー自身の管理するウォレットから直接トレードできる仕組みがスタンダードになってくるかもしれません。

ユーザーのリテラシーをあげることも大切ですが、初心者から玄人までどのようなユーザーでも気軽に簡単に使える取引所となることが業界全体の発展への近道だと思います。

取引所の信用はスピードと柔軟性

それにしても、今回のバイナンスの対応は、迅速でした。ハッキングの問題の究明と説明責任はあいまいな点がありますが、問題のあったAPIを停止し、復旧までのスピードが早かったことが、他の仮想通貨取引所への被害の飛び火を回避させています。

このようなネガティブな情報は拡散されて、不安が不安を呼ぶ悪循環になりますが、取引所のハッキングでここまで、被害を最小限にできたことは、逆にバイナンスの信用を上げる結果になったと思います。

バイナンスの対応はいつも群を抜いている印象があり、それが信用をあげる結果になっています。

 

大手取引所や規制の真っ只中にありながら、スピード感を持って取引所を運営しているプレイヤーは世界でも限られています。変化の早い仮想通貨業界で求められるのは、柔軟な姿勢と変化に対応していくスピードだと思います。バイナンスが今後も世界のトッププレイヤーとなることは揺るぎないのではないでしょうか。

バイナンスは規制を避けて他の仮想通貨と取引所と比べて、独自路線の道を選びましたが、業界の数少ないトッププレイヤーとして今後も君臨していくだろうと思います。