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LINE、Huobi、Kucoin海外取引所が日本進出撤退から見えて来る日本の仮想通貨市場

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海外取引所の日本撤退

LINEが来月より開始する仮想通貨取引所BITBOXは、日本とアメリカ以外で開始のアナウンスが出ているし、Huobiは日本撤退。日本人に人気の海外取引所が一斉に日本進出を諦めるムードが漂っています。

 

理由は、「日本国の法律に基づき、日本国の居住者向けに提供する仮想通貨交換サービスを停止する方針」とのこと。

日本の法律では、海外の仮想通貨取引所が日本国内の住居者向けに営業行為をすることが禁止されています。

 

日本撤退のアナウンスが出ているHuobiやバイナンス、Hitbitなどの海外仮想通貨取引所に共通することは、草コインと呼ばれる、より投機性の高い商品を扱っているところです。

海外の仮想通貨通貨取引所が日本撤退ということは、投資家から自由とチャンスを奪う暴挙だと捉えられますが、ここで注意したいのが、仮想通貨では、そのほとんどが詐欺と呼ばれるほど、将来無価値になる可能性が高い危険な商品を取り扱っているところです。

 優先されるのは自由それとも保護か

一攫千金を夢見て、値動きの激しい仮想通貨に手を出す自由も守られるべきことなのかもしれませんが、冷静に考えると、大金を稼ぐことができるケースは限られています。むしろ全体で見れば損失を抱え込む個人投資家を増やしてしまうことになるので、規制はある程度仕方ないと思っています。

 

投資は自己責任と言われますが、詐欺などが横行してしまうと、お上は何をやっていたんだとクレームをつけられる対象となるので、先に規制という自己防衛をすることで、投資で失敗して損失を抱える個人投資家を結果的に守ることになれば、海外取引所の営業禁止は、投資家保護として優秀な施策であったと言えます。

 

しかし、自由と規制の綱引きはとても難しく、答えが簡単には導けません。

投資家は、自己責任で自由を求めますし、政府は、投資家保護で規制を設けます。そのこと自体は、何も問題ないのですが、私が言いたいことは、どちらにより過ぎても危険だということです。

 適度な規制とは何か

つまり、自由に寄り過ぎた場合は、詐欺の温床になります。詐欺集団からは、日本は規制が甘く、お金を持っている国民と認識されれば、カモとしてターゲットを決めこまれるトレンドが生まれ、日本全体が損失を受けてしまいます。

一方、規制が行き過ぎた場合は、個人投資家の投資機会損失、仮想通貨取引所などの新産業創出の機会を逃すこととなり、イノベーションのチャンスを生み出すことができません。

 

現段階では、なんとも言えませんが、日本は規制を強めていくことで、健全な仮想通貨市場を作り出そうとしているのか、それともこのまま潰してしまうのかという瀬戸際に立たされているようにも感じます。

日本政府から見た規制 

ただし、国からの見方をすれば、海外の取引所で日本人が取引することは、外貨流出につながるので、できれば、国内の仮想通貨取引所を使って、日本国内に利益を落としてくれということかもしれません。

また、マネーロンダリングを警戒するあまり、有用な仮想通貨までも禁止してしまったという結末にもなりかねません。(事実、コインチェックでは匿名通貨の取引を取りやめている)それでは、単なるガラパゴスですし、小さくまとまらず、もっと広い観点でグローバルに戦っていくべきです。

 

もっと言えば、仮想通貨やブロックチェーンの新しい技術を使ったベンチャー企業を日本国内で育成するくらいでなければならないでしょう。仮想通貨はビットコインや、仮想通貨取引所ビジネスに限ったことではなく、裾野の大きい分野に成長します。

イーサリアムのようなプラットフォームの開発や、イーサリアム上で稼働するシステム開発。また、日本独自の仮想通貨プラットフォームの開発など、新事業を創出して、海外から起業家や投資を集めることも可能なはずです。

今の状況では、規制とルールを整えることに重点が行きがちで、本丸の仮想通貨ビジネスの創出までたどり着けていない印象です。

インターネットの時もそうでしたが、日本は技術力があるにも関わらず、規制で事業がスケールさせることができなくなり、結局、先行してルール作りが上手いアメリカが新事業をものにするといったことが繰り返されてしまうのではないか。そんな危機感が蘇ってきます。

もし、そのようなことになってしまえば、仮想通貨を規制し過ぎたが故、将来にわたっての長期的な利益までもを手放したことになりかねません。

 

仮想通貨の規制は、慎重に対処すべき事柄です。

まだ、希望は残されていると思うので、健全な仮想通貨市場と、新事業創出の機会を生み出す規制緩和のセットが日本でも実現してほしいと思います。

少し不安な状況を感じながらも、日本は強かな国民性を持っています。そのことを信じて、日本が仮想通貨大国で大成功する未来に期待して行きたいと思います。