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野村ホールディングスとLedgerが仮想通貨のカストディサービスへ参入その意味とは

野村ホールディングスとLedgerGlobal Advisors Holdings Limitedがカストディサービス提供を見据えて、合同で「Komainu」を設立しました。

野村は日本を代表する富裕層を顧客に持つ証券会社、Ledgerはビットコインなどの仮想通貨のハードウェアウォレットを製造販売する企業として有名です。

カストディサービスとは

カストディサービスとは、機関投資家や、大口の金融資産を持つ顧客向けの資産の保管と管理を代行するサービスのことです。

仮想通貨の市場が拡大していくためには、大口投資家の参入が必須ですが、現実的には、大金を預けておけるほどの信用のおける企業がほとんど存在していません。

また、トレードをするためには、仮想通貨取引所を利用する必要がありますが、規制を遵守できると言えるほどの信用できる取引所もほとんどありません。

一般の投資家であれば、独自の判断でリスクをとることは可能ですが、億を超える資産を保有している富裕層や、その資金を預かるファンドにとっては、少しでも資産がゼロになってしまうリスクがある環境に自身の金融資産を預けることはできないでしょう。

仮想通貨の保管方法については、個人で秘密鍵を紙に書いて保管できるレベルから、ハードウェアウォレットに保管するレベル、資産規模に応じて管理方法も異なるように、億を超える資産の管理レベルとなると、想像以上に厳重な体制を必要とします。

富裕層向けサービスの拡張が急がれるワケ

そこで、法規制はもちろんのこと、資産を預け入れる取引所や代行管理する企業が必要になってきます。

仮想通貨へ大口の参入!というニュースが出ても、すぐさま大金が流れ込んでくる訳ではなくて、それ以前に、富裕層の資産を的確に扱えるプロの集団が、環境を整えてからということになりそうではないかと思います。そして、その環境整備と準備が日々着々と進行しているように感じます。

 

一方、保管サービスの先駆けとして、Xapoという企業があります。この企業は、大口ビットコインユーザーの資産預かりサービスとして、推定1兆円規模のビットコインを保管、管理していると言われています。Xapoの貯蔵量はビットコイン供給量の約7%を占めていると言われるほど、巨大な存在です。

もちろん、アメリカの政府や機関に監査、許認可をとり運営されている合法的な企業です。

保管方法は、秘密鍵をスイスの山奥のシェルターなど、世界中の保管場所で厳重なセキュリティーの元、管理されているそうです。

Xapoに資産を預ける億万長者の中には、LinkedIn社の共同創業者などが顧客としています。

彼らは、保有資産のビットコインの盗難というリスクを避けるため、秘密鍵の管理をXapoに委託することで、リスクヘッジしています。

秘密鍵の保管には、ハードウェアウォレットで保管することでも、オンライン中はリスクがありますし、自宅に保管するということは物理的な強盗という手段でのリスクからは逃れられません。大口のビットコイン保有クラスにとっては、自身で秘密鍵の管理を行わないということが、最良のリスクヘッジになることもあるのです。

富裕層は新たな資産クラスとして認知

おそらく、Komainuや、Xapoのサービスを利用する富裕層は、ビットコインを資産として認知しています。

富裕層は、各国の法定通貨だけでなく、株式や、不動産、債権、コモディティ、ゴールドなどあらゆる金融商品に資産を分散させることで、自身の金融資産の価値を様々なリスクから守る対策を常に考えている人たちです。

今や、オーソドックスな資産の保管方法である、ドルや円などの通貨や国債、株式については、国の抱える借金問題とデフォルト懸念など、不安定な情勢がつづいています。今後、これらが大きく下落する可能性もある中、新しい資産クラスとして、仮想通貨がリスクヘッジとして今後注目される可能性があります。

 

富裕層のビットコインの投資は、このように長期的な目線で行われていることがほとんどだと思います。

トレードを行ってその利ざやを稼ぐという目的よりも、ビットコインの価値上昇の可能性が高いことを見据えて、売るのではなく、保有する目的で購入されるようになっていくのではと感じます。

そこで、課題となるのが、新しい資産クラスの保管方法を提供するサービス環境の整備ということになります。

そのような、富裕層に信頼される企業のサービスが確立されてこなければ、期待される大口の資金流入はないでしょう。

仮想通貨は個人から富裕層へ

一方、環境整備として、CMEの先物取引、Bloombergのインデックスファンド、ピーターティールの富裕層向けビットコインサービスも控えています。

これらが、目指すところは、個人ではなく、機関の資金流入です。

個人は、独自の判断で素早くリスクをとって行動できることだけが、メリットです。機関は慎重にリスクを精査して着実にとるべきリスクを選択しています。

様々なニュースの動きから、富裕層向けの仮想通貨市場参入が徐々に本格化してくることが、次のビットコイン相場の押し上げと、価格安定、新しい資産クラスとしての認知というところに繋がってくるように思っています。

その大きな流れが、本流になってくるのか、虚業でおわってしまうのか分かりませんが、多方面から情報を集め、リスクをとっていくことが資産形成への近道となるのではないかと思います。