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信用不在を可能にするブロックチェーン唯一の弱点とは!?

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ブロックチェーンとは

ブロックチェーンはP2Pの分散されたネットワーク、秘密鍵暗号技術、ハッシュ関数を組み合わせることで生まれた。これが、世の中を変革しようとしている。

 

分散型台帳にデータを記録することで、お金のやり取りが電子化できる。ゲームなどのサービスの利用料として機能する。登記や証券などの管理や存在証明ができる。などその用途は様々な可能性を秘めている。ブロックチェーンの改竄できない仕組みはおそらく本物だ。そして低コストで運営できる合理性と、分散型で運営できる安全性も革新的な仕組みである。

ブロックチェーンの弱点 

しかし、そんなブロックチェーンにも弱点は存在する。

それは、人間が扱うものには、完璧などなく、全てのことに不正が起こりうるということだ。

殆どの人は、仮想通貨がオープンソースであっても、コードの精査を行うことはできない。バグがあれば攻撃者の好きなようにシステムを破壊することができる。改竄できない文書データも「最初から」不正のデータを打ち込むことができる。

このように、プログラムではなく、人による不正については、「信用」が必要な場合があるからだ。

 

スマートコントラクトの仕組みは、契約をブロックチェーン上で実行できることであり、お互いを信用しなくても、契約やプログラムを実行することができるのが魅力だが、それであっても何事も、最初に信用をしなければ、始まらないところが唯一の弱点なのだと思う。

本当に信用が必要ないのか?

ビットコインも、イーサリアムも私を含めて殆どの人が完璧に理解している訳ではないだろう。おそらく、皆が使っているから、大丈夫だと暫定的に信用して利用している。つまり、ここに最初の信用が発生している訳だ。

ブロックチェーンは信用が必要ない仕組みと言われているが、正確には私たちは信用して使っているのだ。

 

また、商取引では、相手方を信用して契約の手間を省略することでスムーズな取引ができる。

ある商品を注文したときに、いちいち契約書を発行してサインといった手間を省かなければ、スムーズな取引が実現できない。

場合によっては、取引の間に、クレジットカード会社などの信用を肩代わりしてくれる組織に間接的に信用を与えてもらい、契約を履行することができる。

 

それが、人間社会の現実的な商取引だ。人間の感覚で、信用できるかどうかを判断している。人間の良さはコンピューターと比べて、あいまいさやいい加減さがあることで、融通と経験による感覚を頼りにできることだからだ。

しかし、コンピューターの世界では、融通は一切きかない。一度プログラムを実行してしまえば、あとから変更することが難しく、プログラムのバグを見つけるためには、途方も無い労力を必要とする。

 

AIが発展した将来は、コンピューター同士が自立して、契約を実行していく世の中を想定されているが、AIのプログラムが人間にとって間違った行動を起こしたとしても止めることができない。そのため導入は慎重に行うべきだ。最悪の場合、AIによって人類が滅ぼされると言った警告も出ているくらい扱い方がとても難しい。

人間にとって理想の社会とは 

つまり、信用が必要ない世界というのは、人間にとって決してユートピアではないということだ。

純粋に信用が必要ない社会というのは、ありえない話なのかもしれない。

むしろ私たちの社会は、信用することで、スムーズに回っていると言える。

 

しかし、ブロックチェーンも要はひとつのツールである。車や、包丁が危険だから使わないという話ではなく、使い方を間違わなければ人間にとってとても便利な道具になりうる。

正しい使い方を身につけて、積極的に使っていく方が自然な進化だと思う。

どんなツールでも、使うのは私たち自身である。そんなことを考えれば、最後は人間の良心を試されているようにも感じる。

信用が必要ない仕組みを導入していくことは、逆に信用について徹底的に考えるきっかけになるのではないか。

 

ブロックチェーンは、あくまでも、人間の不完全な部分を補完する役割として機能していくことはできるが、ひとつのツール以上でも以下でもない。

先に何か不便や問題があって、このブロックチェーンという便利な道具をどう有意義に使いこなしていくかということが大切であると思う。

人間は、道具を使いこなすことでこれまで進化をしてきた。その進化は、これからも変わらないと思う。