ジョージ・ソロス仮想通貨参入の意図を考察 水面下で続いていたブロックチェーンへの投資
ジョージ・ソロス仮想通貨参入
著名な投資家、ジョージソロス氏が仮想通貨への投資参入との報道が明らかになりました。
ソロス氏は過去に「仮想通貨は投機である」と発言しており、仮想通貨への参入は無いものと考えられていただけに、大物投資家の考えを改めた変化に何があったのかとても興味深く感じます。
報道の中身は正確には、ソロス氏が運営するソロスファンドマネジメントの責任者に対して仮想通貨への投資に関する了承を与えたというものです。
しかし、この報道以前に、ソロス氏の仮想通貨参入の布石とも言えるべき投資があり、それは、オーバーストックドットコムへの投資です。
既に、筆頭株主とて名を連ねており、間接的に以前から仮想通貨への投資を模索していたと推測できます。
オーバーストックドットコム
オーバーストッックドットコムは、米国のイーコマース企業であり、支払い手段にいち早く仮想通貨支払いを導入したことで有名です。
同社のCEOのパトリック・バーン氏はメディアでビットコインや仮想通貨の可能性について積極的に意見を述べることや、ICOを通して50億円の資金調達も行っています。
また、オーバーストックドットコムの完全子会社Medici Venturesを通してブロックチェーン関連企業へ積極的に投資を行っています。ポートフォリオも公開されており、投資先はT-ZERO、factomなどが挙げられています。
このように、水面下で、仮想通貨に積極的に関わり、自らのサービスでも仮想通貨を取り入れながら実用性を検証しつつ、ノウハウを持つ企業であるオーバーストックへ投資することで、仮想通貨の将来性を研究していたのではないでしょうか。
そして、ソロス氏はフェイスブックとグーグルの株を売却しているということも気になる動きです。
現在フェイスブックは、顧客データの不透明な取り扱いが問題になっています。
膨大な情報を必要とするのは、広告ビジネスは、顧客の膨大な嗜好性を含むデータを的確に分析することで、挿入する広告の最適化を図るためです。
そのため、企業と個人との情報の取り扱いについては、今だに最善の術がなかったと言えます。
その一つの解決策はブロックチェーンに顧客データを記録する方法も模索されています。
ひょっとしたら、ブロックチェーン技術のポテンシャルにいち早く気づき、投資対象としての魅力を感じているのかもしれません。
ジョージ・ソロスの投資手法
また、ソロス氏は、仮想通貨がバブルであると警笛を鳴らしながらも、独裁国家で需要がある限り、急落よりも高値持ち合いとなる可能性が高いと指摘しています。
しかし、ソロス氏の投資手法は売りから入ることでも有名です。ポンドやタイバーツの取引では売り浴びせで暴落を引き起こし、巨額の利益を得ています。
また、ITバブルの際は買いから入っていますが、これについては損失を計上しています。
仮想通貨では、売りから入るのか買いから入るのかは分かっていませんが、巨額の資金が投入されることは必至なだけに、ソロス氏の動向は今後も注目されるところです。
仮想通貨市場の成熟
ソロス氏のような大口機関投資家が参入してくることは想定されていたことですが、なぜ今になって参入してくるのかという意図については、今までは環境が整っていなかっただけなのかもしれません。
大口機関投資家は、市場の動向以外にも、取引を安全に行えるかどうか。資金を保管、管理する環境が整っているのかどうか。といった基準が保たれていることが参入への条件となります。
まだまだ、GOXする可能性のある仮想通貨取引所の管理体制などには課題はありますが、今は昔と違って、レガシーな大口機関投資家からの信用を得るレベルの仮想通貨取引所も徐々に生まれ始めていると思います。
この度の、ソロス氏の投資会社はファミリーオフィスということで、他の機関投資家に比べて意思決定が早く行えたと言われています。
そう考えると、その他の機関投資家たちも、仮想通貨への参入をすでに準備し始めているかもしれません。
仮想通貨市場の活性化
影響力のあるソロス氏が仮想通貨への参入を表明したことで、これまで様子を見ていた大口投資家が続々と参入を決定していく後押しになっていくかもしれません。
そうなってくると、市場自体にも信用が生まれ、より一層活気が生まれることと思います。
楽観的な見方ではありますが、この動向は長期的に仮想通貨市場が成長していく大きなきっかけになっていくと感じています。