壊れてしまったFacebookは再起動できるのか!? 個人情報を自らブロックチェーンで管理する時代へ
Facebookの問題
現在、私たちはSNSを「無料」で利用しているように感じていますが、実は、Facebookなどには、個人情報を提供しています。
彼らは、投稿された内容を元に、ユーザーの趣味趣向を分析し、広告主に広告という形で販売していることで大きな利益をあげていくビジネスモデルで成功しています。
つまり、フェイスブックにとっては、ユーザーが商品なのです。
しかし、今、その「個人情報」の利用方法について不明確なところも多く、問題視されています。
個人情報は、国家や政治に利用される危険も孕んでいます。今までユーザーはその危険性を正確に理解しないまま、サービスの利便性を優先してきたように思います。
そして、フェイスブックもこの問題について真摯に取り組んできたとは思いますが、具体的な解決策が今まで無かったというのが正直なところだと思います。
ブロックチェーンで解決
そこで、今後、個人情報の扱いに関して、解決する可能性のある技術がブロックチェーンです。
ブロックチェーンをお金というものに利用した代表的な例がビットコインですが、ビットコインがお金として機能する仕組みは、共通する台帳で取引履歴を記帳し続けているからです。
私たちは、実物のお金を送り合わなくても、誰が誰に何時送金したのかという履歴があれば、仮想的に価値のやり取りを行うことができます。
実は、この仕組みは、お金だけはなくて、データをやり取りする仕組みとして利用することも可能です。
ブロックチェーン上でユーザーの個人情報を管理して、Facebookの中央サーバーで管理しないことで、ハッキングから守ることや、データの使用状況の透明性が保たれます。
これは、セキュリティーコストを下げることにも繋がり、企業としても良い組み合わせになるはずです。
ブロックチェーンの可能性
現在、プロダクトとして開発されているものに、ストレージ(分散型データストレージ)、ファクトム (タイムスタンプでデータの存在証明)、エニグマ(匿名化でデータのプライバシー確保)などが出てきています。
これらを組み合わせることで、フェイスブックなどのSNSでも、中央集権的にユーザーのデータを管理する必要がなくなってくるのではないかと思います。
また、さらに踏み込んだ取り組みの例としては、SNS自体をDapps(分散型アプリケーション)として開発したシナリオです。
これは、フェイスブックに似た仕組みのSNSを分散型で管理していこうというプロジェクトです。
シナリオは、広告収益をユーザーに還元する仕組みを提案しています。
まだまだ、これらのサービスは実例が少なく、実用段階に入ろうとしているところですが、今後、確実に個人情報の管理のあり方としてブロックチェーンを社会に浸透させていく、キラーアプリが発明されていくはずです。
ブロックチェーンの本質は信用不在
ブロックチェーンは、ビットコインを例にしたお金や、国際送金やそのシステムとして使われる実用例の方が、社会に浸透するスピードは早いかもしれませんが、ブロックチェーンの本質は、効率化ではなく、「信用不在のシステム」です。
私たちは、国家や企業を信用することで、社会システムを成り立たせていましたが、ブロックチェーンを使えば、分散型で信用の要らない仕組みを構築することが出来ます。
ブロックチェーンで収益を得る時代へ
個人情報の民主化は、現在問題になっている課題に、ブロックチェーンで解決できる最良のユースケースです。
フェイスブックなどの企業が、データを自社のプライベートブロックチェーンを使い管理していくのか、パブリックブロックチェーンを使っていくのかは分かりません。
また、私たち個人が、ビットコインの秘密鍵を管理するように、データをブロックチェーン上に管理して、企業に販売することも可能になるかも知れません。
また、フェイスブックを代替えするようなシナリオなどのDappsが普及するかも知れません。
もし、そうなってくれば、SNSに投稿することもお金を稼ぐ手段になってくるかも知れません。
ビットコインはデータの民主化の革命です。これは、今までにない本当に大きな変化です。
そして、私たちの生活のあり方すら変えてしまう可能性もあるのです。