ブロックチェーンは次のiPhoneを生み出す技術になるのか!?
Linuxとブロックチェーン
Linuxってご存知でしょうか?その発展の歴史がブロックチェーンに似ているので、本日はLinuxを解説しながら、ブロックチェーンの将来を考えてみたいと思います。
Linuxとはオペレーションシステムの基礎を無償で公開したことで知られるオープンソースの草分け的存在です。
それまで、システムは企業がゼロからコストをかけて独自構築するものでしたが、Linuxベースがあるおかげで、さまざまなシステムが短期間で開発できるようになりました。スマートフォンのAndroidとiOSも、実はLinuxがベースになっています。
実はこのLinuxは、素人の大学生(ヘルシンキの大学院生だったLinus Torvalds)が遊び心で作ったプログラムが始まりなんです。それが、インターネットで公開され、勝手に複数のプログラマーが改良に改良を重ねて「開発」されていきました。
Linuxのモデルが面白いところは、このオープンソース開発の過程にあります。
オープンソースの魅力
もちろん、この開発者たちには、企業のような責任もありませんし、逆に報酬もありません。それどころか計画も何もない場当たり的な(どうでもいいと思われる)ものです。
それなのに、我々の身近な存在、スマートフォンだけでなく、金融機関や、研究機関、家電製品、エンジン、ロボットの制御装置などあらゆるところで利用されるまでに普及しています。
この事実から再び驚くのは、精巧さが求められるはずのオペレーションシステムが、ガチガチのガバナンスの効いた大企業が作り上げるものだとは限らないことです。
時にいい加減で、適当な仕組みが想定外にうまくいったりする良い例です。
Linuxの開発モデルを表現した例で、エッセイ「伽藍とバザール」が有名です。
伽藍(がらん)とは、大きな寺という意味で、大聖堂を示し、バザールとは開かれた市場のことです。
これは、中央集権的な存在と、非中央集権的な存在とを表す、とても分かりやすい例えです。
ブロックチェーンは正にバザールのように、人々が集まってくることによって価値が生まれ、多くの人により軌道修正され解決策が提案されていきます。
ビットコインのフォークや、イーサリアムで作られるERC20トークンが良い例ではないでしょうか。
過渡期の真っ最中
つまり、このLinuxとブロックチェーンを重ね合わせて考えると、今起こっていることは、ブロックチェーンを使った壮大な実験であると言えます。
そして、その最初のキラーアプリがビットコインです。
インターネットの歴史は、ルールが決められた中で発展したのではなく、バザールのようなオープンソースの理念に基づいて発展してきました。
私は、ブロックチェーンは、インターネットの延長線上にある通過点だと思っています。
まだ、未完成なインターネットを補完する役割として、これから発展していく技術だと思います。
しかしまだ過渡期の真っ只中。これから、様々な試行錯誤が試されていくことでしょう。
次のiPhoneへ
そう考えると、ビットコインの価格だけでなく、ブロックチェーンテクノロジーが生み出す価値というものは壮大なものになっていくのではないかと思っています。
だからこそビットコインに触れ新規プロジェクトに積極的に参加していけることが、楽しくワクワクする体験になっています。
インターネットの歴史に照らし合わせれば、正式な文章もない、計画も、開発ロードマップもない、技術的な設計もない、ということが逆にオープンソースの最大のポテンシャルです。
現在、優秀な人たちが集まり、熱狂的に何度も何度もトライして試行錯誤することが行われている環境が整っています。
Linuxが生まれた当時は、iPhoneやFacebookを生み出すなんて考えもしなかったでしょう。
まだ、ブロックチェーンは社会に根付いてはいませんが、いずれ想像もつかない形で当たり前のように、私たちは使いこなしていることでしょう。