なぜ仮想通貨の価格は下がっているのか? 消耗していく個人投資家と様子見の機関投資家
新規参入組
昨年はメディアで仮想通貨について取り上げられることが多くなり、注目が集まると同時に、新規参入の資金が相場を押し上げて行った。
国内仮想通貨取引所のテレビCMが各社活発になり口座開設に順番待ちが出るほど。
個人投資家は、我先にと価格上昇していく相場に、取り残されないように焦って資金投入していた。
テレビCM以外にも、取引所の開設アフィリエイト目的のブロガーによる宣伝効果が大きかったように思う。
取引所ビジネス同士の競争が加速するにつれ、高額なアフィリエイト収入が魅力になっていたこともブロガーによる新規参入組を増加させる要因であった。
アルトコイン
日本の取引所のアルトコインの取引は、ビットコインに比べてスプレッドが高かった。手数料無料と言いつつ、取引所は高額なスプレッド収入を得続けた。
正式には取引ではなく、販売という方式だが、ユーザーに誤解を招く表現で取引実績をあげて行った。
そのような状況でトレードすればするほど、手数料がかさみ利益を得ることは非常に不利な状況だった。
草コイン
相場の上昇に遅れをとった個人が焦りを感じ、ビットコインの次に値上がりする思惑で草コインと呼ばれる一発逆転銘柄に傾倒していく。
しかし、詐欺や仕手筋の相場操縦が横行する世界で食い物にされていき、次第に消耗していく。
FXレバレッジ
更に焦る個人投資家は、FXにレバレッジをかけて一発逆転を狙う。しかし、ただでさえボラティリティーの高い仮想通貨相場では、急激に高騰、暴落を繰り返す。その度に、証拠金不足に陥り、強制決済で資金を溶かす。
トレンドの転換
急激な値上がりで利益を確定させにいく初期ユーザー売りと、押し目買いの新規ユーザーの取引がマッチングしていたが、新規参入者がピークを迎え、同時に、楽観的な相場から悲観相場への反転により、その逆のトレンドが発生。
税金
確定申告の手続きで、株式のように、分離課税が適用されていないため、高額な含み益を確定する場合、税金が半分取られることがある。損失は年をまたいで繰越できないなど不利な税制であることが分かってくる。それにより、投資家の熱が冷めて行った。
メインプレーヤー
今まで、ビットコインの取引は、米国が中心となり、次に中国、韓国。そして中国バブル崩壊を買い支えたのは日本だった。
国ごとの個人投資家が相場を支えるプレイヤーとなり、崩壊の度に、主要プレーヤーが入れ替わって行ったことで、上昇相場が形作られていた。
まだ機関投資家は様子見で参入していない。
次の相場を作っていくのは機関投資家の存在になってくる。
そのためには、国ごとの規制が整うことや、税制の優遇処置が重要になってくる。
プロダクトがないプロジェクトの賛否
ICOで集めた資金を元に開発していくので最初はプロダクトはなくて当然。
ホワイトペーパーに書かれている事業構想を投資家が評価して開発を支援する。
しかし、ICOから何年も経ってプロダクトがリリースされなければ失敗の可能性を疑うべき。
事業モデルによって、どれくらいの期間でリリースできるものなのか、社会へ受け入れられるものなのかをきちんと考える必要がある。
場合によっては、5年、10年かかるものもある。
革新的で、社会を変革する可能性のある事業ほど、仮に実現できたときのリターンは莫大だが、何年もかかるし、失敗のリスクもある。
魅力的なプロジェクトであれば、開発状況を報告していくことで投資家の関心を引き、追加で資金も集まるので長期的に事業を進めることが可能だと思う。
ベンチャーは性質上、ほとんど失敗すると言っても過言ではない。ベンチャーキャピタルの投資のスタンスも少額100万程度を複数に分散投資する。
失敗したものは諦め、成長していくものに出資額をあげていく。10社に1社でも100倍に成長する銘柄を発掘できれば、10倍のリターンが得られると言う考え方。
事業とは、成功しているものだけが、表舞台に立ってメディアで取り上げられるが、その陰では、潰れていく会社の方が圧倒的に多いと言うことを理解する。
今後の相場
仮想通貨に張ると言うことは、ブロックチェーン技術が世界を変えれるか出来ないかと言うことに賭けると言うこと。
今は過渡期。なので長期的に付き合えるかどうかが重要だと思う。
事業自体が、決して短期で直ぐに結果が出るものではない。もちろん失敗も多数出てくる。
しかし、ブロックチェーンはインターネット革命に次ぐ革命だと思う。
数十年に一度のチャンスが到来しているのではないか。チャンスは、過ぎ去った後に結果を見て気づいたとしても遅い。チャンスの神様は前髪しかない。