マイベアノミクス

ミレニアル世代のビットコイン資産運用ブログ

はたして「億り人」は税金を払えているのか?という疑問に答えてみる

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相場急落が意味すること

今年に入って、仮想通貨市場が低迷してます。昨年12月に高値のピークを付け、その後、急落しています。最近では、若干持ち直してきているもののまだまだピークの価格に比べるとビットコインの価格は半値以下です。

ここで問題なのが、昨年の上げ相場から、今年の下げ相場で、ビットコインを基軸にトレードをしている人たちの心境です。

基軸通貨が下落することで、全体的に資産が目減りしてしまう心理的要因は、一層相場にネガティブな影響を及ぼしているのではないかと思っています。

株取引でも仮想通貨でも、後になって、チャートを見ながら、あーあの時に売っておけばなと思うことがほとんどです。成功談の裏には、それ以上の後悔がこれでもかと言うくらい隠れています。

利益を確定させるための、売り時ほど難しいものはありません。実際に高値のピークで売り抜けることが出来たという人は少数派なのではないでしょうか。

 

一方で、今回の下げは、税金確定売りとも言われているので、早く動き出した人は、修羅場を回避できたのかもしれません。ですが逃げ遅れた人もまだまだ相当数いるのではないかと推測できます。

海外の取引所をメインで使っている方は、ビットコインを基軸に取引をしているので、基軸通貨自体が値下がりしていることで、税金納税のための資金が不足するといった事態に陥っているパターンがあるかもしれません。

税金を払えるのか?

今年の税務申告は、1億円以上の仮想通貨で利益を上げた人が331だったそうです。

これは、1年で相当数の億り人が誕生したことになります。

しかし、1億円儲けていても、その後、仮想通貨を基軸に資金を運用している人は、原資が5,000万円以下まで目減りしている可能性があります。ここで問題なのが、税金は利益に対して発生します。つまり、下手をしたら、納税資金が足りない、もしくは、せっかく1億円儲けたのにマイナスになってしまったというケースも十分あり得ます。

熱狂的な相場だっただけに、まだまだ上がるのではないか?下がっても一時的で反発するかもと期待を寄せてしまっていた方もいるかも知れません。

例えば、昨年度のトレードで1億円を儲けた人は、約半分の5,000万円の納税資金が必要です。

円を基軸にトレードをしている人はリスクは低いと言えますが、ビットコインを基軸に考えていた人は、ビットコインが上がれば良いですが、下がってしまった場合、その原資が年明けから半分以下になってしまっている計算になります。

イケイケどんどんで攻めの投資をしていた人ほど、リスクが高まってきています。

 

せっかく億り人の夢を掴んだのに一瞬にして、納税により利益が泡と消えてしまっては元も子もありません。

これは、今の日本の税制では、仮想通貨の利益は雑所得に該当するため、高額の利益に対して50%以上の高額な税金がかかってしまうことが原因です。

仮想通貨については、株と違って節税のための優遇処置がありません。これは、仮想通貨はあくまで一時的な利益の場合がほとんどなので、暫定的に救済処置がないものかと思うものですが、今の日本は財政難で、そんな余裕はなく、少しでも、税金を多く収めていただこうと国も必死なのです。

また、日本は、仮想通貨の事業を育てたい意向を示していますが、税制面ではまだまだ法律が追いついておらず、優遇処置よりも、投資家保護のための規制を優先させて、ルールづくりに奔走しています。申告分離課税や、繰り延べ、少額決済減税など仮想通貨フレンドリーな税制になるにはまだ当分の時間が必要かと思います。しかし、何かしらの暫定処置をとらないことも問題だと思います。

規制の影響で仮想通貨トレードもメリットが少なくなりつつあり、リスクが大きいので、あまり不利なルールだと参加する人自体がいなくなってしまいます。

それでは、海外からの投資や企業を呼び込むなどの具体的な仮想通貨の成長戦略が見えて来ず、今後の発展の兆しが見えません。

相場下落+税金換金売りの悪循環

そこで、この状況を踏まえて、今年後半の相場を予想してみると、税金や、損失で資金余力がかなり消耗している状況で、市況も悪く、心理的にも新規参入が激減しています。つまり、みんなが上がって欲しいと強く望んでいるにも関わらず、流入してくる資金元が心もとない状況なため、相場は簡単には回復しません。

最悪の場合、今年いっぱいから来年度中も低迷期が続いてしまうかも知れません。

低迷期が長引けば長引くほど、含み損を抱えた投資家や、税金を払えない人たちが増えてくることで、さらに売りが増えると言う悪循環に陥ってしまいます。

億り人の正体

億り人の存在ですが、実はすでに資金的な余裕があるため、思い切った投資が出来たので成功したという考えもあります。

例えば、ビットコインが10万円の時には、仮想通貨が一時話題になり、その時点で1億円という大金を投資したIT系社長が何人もいたそうです。また、無くなっても良いと思える金額で、100万円程度をすぐに用意できる人であれば、昨年度の上昇相場に乗れば、100倍程度のパフォーマンスを上げた人もいるのではないでしょうか。

ちなみに、仮想通貨取引所の預かり資金は全体利用者の約95%100万円未満で、そのうちの約77%10万円未満というデータがあり、元本の少なさが現実の厳しさを物語っています。

つまり、トレードを繰り返して億り人になった人は、才能と運があってこそだと思いますが、なかなか簡単ではなく、ほとんどは、資金を失い悲惨な結末を迎えています。

 

今回の億り人の正体は、資本を増やすためのタネ銭を多く持ってる比較的裕福な人が更にお金持ちになっただけかもしれません。これは、残酷な資本主義のルールを地で行っている感じなのかもしれません。仮想通貨たりとも現実はそう甘くはありません。

しかし、仮想通貨は将来可能性のある分野なので、長期的に付き合っていくことで、大きなボラティリティもフラットになっていくはずです。私は、上昇トレンドを期待できるからこそ、長期投資でコツコツ資産を形成していけるものだと思っています。