ドレイクのGod’s PlanのPVみてお金の価値観がストック型からフロー型に変わっていくことを感じた
ドレイクの新曲God’s PlanのPVが面白い。このPVの制作予算が1億円なんだけど、その予算の使い道が、マイアミの一般市民に突然ぽんっとあげちゃっているというものw
ミュージックビデオを見るとわかるんだけど、ドレイクは、スーパーマーケットに立ち寄り、お客さんに全奢りしたり、苦学生に学費を寄付してあげたり、道端で座っている親子や家族に寄り添い抱きしめ、現金を手渡ししている。
また、学校に寄付したり、車をプレゼントしたり、百貨店を貸し切りにしてここでも全奢りしたりw
これは、サプライズのMPVなんだけど、見ていて正直感動する。
ドレイクも笑顔だし、寄付を受けた人たちは感動で、その場で泣き崩れちゃう。
そんな様子を見てお金のあり方をちょっと考えた。
音楽業界は常に時代の最先端を行くと言われている。
P2Pの音楽共有サイトであるネットスケープや、ストリーミングサービスのスポティファイなどが良い実例だ。
そんな音楽業界で、HIP HOPのMPVと言えば、昔からアメリカン・ドリームと決まっていた。(まぁ始まりは黒人のアイディンティティを証明する手段だったけど)
これでもかと言わんばかりの、成功!って感じのMPV。金、金、金、女、車ってやつであるw
一昔前まで、アメリカン・ドリームが成功の象徴だったと言うことだろうと思う。
でも、911をきっかけに、アメリカの成功へのイメージが変わりつつあるのではないか。
リーマンショックもそうだけど、アメリカの若者は、自由と引き換えに、競争することを強要されているようにも感じる。
アメリカは完全な競争社会なのである。
そして、過酷な競争の中で、勝ち続けることが正義と教わる。
そのおかげで、最先端のイノベーションを生み出のメッカみたいになってるのだろうけど、それが持続可能かと言われれば、正直無理がある。
競争の陰では、貧富の差が生まれ、その格差は広がるばかりで社会問題化している。
そこで、このドレイクのゴッズプランのPVである。
1億あれば、それを絢爛豪華な贅沢品や派手な演出に使うというのが、成功者のおきまりのコースだった。それを、寄付という形で、新たな価値観を証明したのだ。この行動力はすごい。
たしかに、豪華なブランド品を購入することに意味はあるのかというと、もはや過去の消費のようにも感じる。
そして、今の若者は、ブランド品に興味がなくなってきている。
ドレイクのような大胆な寄付でなくても、若者は、クラウドファウンディングで、新たに挑戦するプランに参加する喜びを新たな価値観として消費している。
ドレイクのゴッズプランは大ヒットしているが、この快挙となるに至った経緯は、新しい価値観をリアルにMPVに落とし込んで、若者の価値観を見事に映像化したことじゃないだろうか。
なんだか、この後にブランド品を消費することに価値を見出したMPVを制作することは恥ずかしくなってくるくらいである。
そして、このMPVの成功は、ドレイクのキャリアを更に格上げしていくことだろう。
日本で、こんな大胆に寄付をしてしまうと、売名行為だのネガティブに捉えられひっかみが起こりそうだけど、これは、アメリカでHIP HOP文化があるからこそ、提示できる価値観だと思う。
ツイッターやSNSでもそうだけど、自分自身の理念と行動で、自分自身をブランド化していく生き方が現代に求められている。けっして見返りを求めるものではないが、お金の価値は貯めることよりも、その使い方に価値があるのだ。
これからはお金自体の価値は相対的に下がっていくだろう。貯めることよりも、消費することよりも、もっと尊いものがあるのだと教えてくれた。もちろんそれはお金で買えないものばかりだ。ストックするよりフローすることでお金が生きてくる。
そう考えると、人間の価値観を進化させるためには、行動しつづけることに意味があるのかもしれない。