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ミレニアル世代のビットコイン資産運用ブログ

ICOの問題とチャンス「過去から振り返り思うところ」

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ICOとは

新しい資金調達の形としてICO(Initial Coin Offering) が注目されています。

これは、IPO(Initial Public Offering)新規公開株をもじった言葉で、仮想通貨を発行することによる資金調達のことを言います。

ICOのメリットは証券会社などを通さずに直接投資家から資金調達を行えること、ビットコインやイーサリアムの仮想通貨建てで資金調達をするので、法定通貨にしばられず、世界中から資金調達を行えるという利点があります。

ICOの問題

今のICOが活性化している要因は、早期に参入した資金豊富なビットコイン長者の存在です。彼らが投資を加速させるているため、さらに資金が大量に流れ込んで金額が膨れ上がり、さらなるバブルの形相を見せています。

しかし、明確な法整備と規制が整っていない状態が詐欺の温床となっていて、資金持ち逃げや、中身のないプロジェクトが多額の資金を調達出来てしまうなど、集まり過ぎた資金により多くの問題が起こっています。

初期のICO

しかし、私の参加した2014年頃は、まだICOという言葉すらなく仮想通貨市場自体がそこまで盛り上がっていませんでした。

ちょうどイーサリアムなどのプロジェクトがビットコインでの資金調達を開始し始めた頃ですが、イーサリアムでさえ16億円程度という資金調達額で、1億円未満の資金調達でも「すごい額が集まった!」と話題になるくらいでした。

そのころは既にビットコイン長者が話題になっていたので、第二のビットコイン長者を目指すべく、投資が活性化しはじめた頃だったのだと思います。

しかし、ビットコイン以外の成功例がないことや、プロダクトは開発段階で実績が評価できない状況が続き、しばらく疑心暗鬼の状況が続いていました。

また、取引所も数が多くなく、ICO後の上場についても未定期間が長く1年以上価格がつかないといったことも当たり前のようにありました。

そのため、ICOの案件も少なく、投資する側もプロダクトが頓挫する可能性を考えて、出資しても試しに少額出資するといった感覚でした。

現在のICO

その頃に比べると、やはり現在のICOはバブルだと感じます。プロジェクトも乱立しており、プロダクトがないのにも関わらず、事業計画をホワイトペーパーで発表するだけで多額の資金が集まってしまいます。そして、上場までのスピードがもの凄く早いです。

そして、今のICOの大きな懸念が、ICOゴールとなっていて資金調達が目的化されてしまっていることです。

これでは、あまりにも多額の資金を得てしまうと、起業家のハングリーさとモチベーションが続かないと感じます。

また、早期に入るベンチャーキャピタルがICO公募価格の70%オフで仕込み、上場後に売り抜けるという安易な投資スキームも横行しているようです。

さらに、悪質となるのは、経営状況が悪化した不調なベンチャーでICOで資金調達を実施して、死に体となったベンチャーを投資家が売り抜けるスキームに利用されるといったケースまで出てきているようです。

今、言えるのは現在の市場は過度の期待にあるということです。既に、ICOによる資金調達がベンチャーキャピタルを通して行う額を超えてきており、調達段階で100億円を超える規模にまでなっています。

FilecoinのICOが2億5700万ドルを調達Tezos が2億3200万ドルを調達Bancorが1億5230万ドルを調達Polkadotが1億4000万ドルを調達Quoineが1億500万ドルを調達

2017年以降、ICOを通した資金調達額はVCラウンドによる調達金額の3.5倍になった

これでは、スタートの時点で期待による過度の期待買いが入っているため、投資による値上がり益が見込みづらくなっています。

ICO公募価格割れを起こしているプロジェクトもあるように、過度な期待は禁物でしょう。この度の市場の下落を機に、投資家は一度冷静にならなくてはなりません。

これからのICO

そして今年は今まで規制が野放しになっていた状況から一変して、SEC(米国証券取引委員会)による規制の動き、日本も金融庁による取引所立入検査などのような法整備を整える動きが活性化しています。

規制は、世界各国が的確なルール作りを整備していくことで投資家保護が尊重され、長い目で見ると安心して投資を呼び込むための良い土台作りとなります。

その中でより大規模な資金調達が2018年も実施されることと思います。

ICOの魅力

今年は、テレグラムなどの大型ICOが成功することで、現在のIT企業が牛耳るステージをひっくり返してしまう可能性が期待されます。

インターネットバブルの頃のように、バブルは大量の資本を呼び込み、様々な試行錯誤のチャンスを与えてくれます。そして、その中から次のグーグル、フェイスブックという企業が生まれることでしょう。

そして、ICOの興味深いところは一般の私たちもその世界中のプロジェクトに気軽に参加できるという事です!

私たちも、リスクを理解した上で積極的に余剰資金を使って参加して見るのも実感が持てて楽しい体験になることと思います。